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せっかくの趣向を生かしていない。最初のほうの混乱なんか、けっこう臨場感があって期待できたのに、しぼんでいく。物語を語り出してしまうからだ。友情物語やら救出物語やら、既存の“物語”に寄りかかって“記録”の視線を忘れてしまう。記録の目に徹する自信が作者になかったのだろう。カメラはこういう異常事態なら、とにかく怪獣を捉えようと懸命にならなければならないはずだ。それを友だちばかりに向けている。軍の発砲からパンして怪獣にカメラを向けるってのは、新米素人カメラマンのそれではなく、劇映画のカメラマンの動作である。一生懸命対象を見ようとして、それでもよく見えない、ってところにサスペンスが生まれてくるので、最初っからカメラが効果を狙って控え目なのでは、おののきたくてもおののけない。軍の前線基地みたいなところに入っちゃうのも、よくない。事態をまとめる視点を排除して、とまどいの視点に徹しきらなければ。さらに言えば、俳優の演技の質がもろにドラマのそれで。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-12-16 12:10:25)
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