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NHK教育テレビの低学年向き番組に、棒で操作する人形としてでも出てきそうなチープなキャラクターで、それを丁寧なCGで見せるところが本作の趣向。私が子どものころは、合成画面と言えば、まだ人物の輪郭がブヨブヨ揺れていて、それでも無邪気にオーッと思っていたものだった。それがどんどん進歩し、『ターミネーター2』とか『ジュラシック・パーク』あたりかなあ、一応完成と言える段階になった。その後も更なる洗練は続き、現在ではゴキブリや飛び散る便まで描いてしまう。もう特殊撮影があっても驚かなくなっていたことに、この映画を見終わって驚いた。これの見どころは、いかにもチャチな、棒で操作するにふさわしいおもちゃのようなモノが、細かな表情をしたり滑らかな動きをするところで、考えてみればずいぶん屈折してきたわけだ。これまで人形を人形らしく見えないように努力を重ねてきたのが、今ではわざと操り人形らしく見える人形を滑らかに動かすところに至ったわけ。SFXの行き止まりなのか、更なる洗練の道が続くのか、越し方行く末に思いを馳せてしまった。話のほうは、大げさなドタバタと、涙涙の人情ドラマとがくっつく香港テイストたっぷりのもので、嫌いじゃないけど魂が震えるとまではいかなかったなあ。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-13 12:17:13)
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