忠次旅日記 の なんのかんの さんのクチコミ・感想

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忠次旅日記 の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 忠次旅日記
製作国
上映時間94分
ジャンルサイレント,時代劇,シリーズもの,モノクロ映画
レビュー情報
子分が強盗になっているのを知った忠次の苦衷。活劇としてよりも日本風悲劇としてのトーンが満ちている。悲壮さへの誘惑もある。大きな樽を入れた構図、暖簾を分けて立つ娘お粂、など印象深い。呼びかける声がだんだん大きくなるのは、そのまま字幕が大きくなることで表現される。フィルムの断片だけが発見された「信州血笑篇」の方は、どうも気分がつながらなくて困ったが、「御用篇」はかなりまとまった部分が残されたので大丈夫。戸板に乗せられたまま夜の川を渡るあたりの悲壮の極み。日本映画は敗者への共感を描くと特別味わいが深まるんだ。伏見直江(ポスターには「新入社」と書かれていた)が密告者を調べる蔵の中のシーン。これはサイレントならではの緊張ある場面で、名前を呼ぶ字幕と影のある顔とのリズムがだんだん切迫していく。で最後の捕り物。ここが残ったので、作品の活劇としての味わいがうかがえた。上下に動く蔵の戸を、開けよう・閉めようとしている争いを内側から眺めるカット。隙間から見える足だけの活劇というアイデアだが、アイデア倒れになっていなかった。追い詰められ密閉された場所での覚悟が画面をうずめる。おそらく三部作全編を通して観られれば、滅びへ向かう巨大な下り斜面が見えてくるのだろう。フィルムの欠損部分でリズムを崩されるのがすごく気になるってのが、オリジナルのリズム感の洗練を思わせる。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 8点(2011-12-30 10:59:21)(良:2票)
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投稿日付邦題コメント平均点
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2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女6レビュー6.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.41点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
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