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《ネタバレ》 冒頭、男たちが黙って適度に配置されていくあたりが、もうこの監督の味。ドンパチよりも、そこに至る静けさの緊張が楽しい。レストランの場もそうだが、ここでは冒頭と違って広さが別の趣向となる。ヤミ医者のとこでのドンパチは滑稽味を加え、その後の悲痛と対照させている。金塊強奪の場に遭遇してのドンパチでは、ただ直立して撃つスタイル、ここも狭いヤミ医者の場の次ということで広さが対比される。繰り返されるドンパチでもいろいろ変化を持たせているわけだ。ここで絶対にドンパチが起こるぞ、と最初に映った段階で見ている者に確信させる吹き抜けのあるホテルで、ちゃんとラストでドンパチになる。ここも実際のドンパチより、その開始を告げる空缶のキックパスがいいわけで、『ザ・ミッション/非情の掟』の紙屑を思い出さずにはいられない。男たちの連帯。これをやるのならその前のちょっとクサい酒びんを渡しあうシーンは必要なかった。香港の密度と比べてマカオはいくぶん空気が拡散的で、話も中盤まとまりがほどけかけたような気がする。そのかわりポルトガルを経由してか中南米的なトーンが入ったのは、新味。ストーリーもややヒロイック度が過ぎてしまったようで、微妙に湿度が高めだ。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-05 11:55:46)(良:1票)
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