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《ネタバレ》 なじみのない風土の物語のとき、どこまでがリアリズムでどこからが寓話なのか迷わされる。これ、別れた旦那を連れて再婚しようとするヒロインの話で、裁判所の人も驚いていたから異常な話は異常なんだろうけど、家族が労働力として第一に考えられるところでは、ある程度そういう異常の話も起こり得るという下地があるのか、それともまったく民話として考えればいいのか、迷わされた。登場する男がすべてヒロインを愛するあたり寓話性が強いようだけども、旦那が怪我で性的不能者になってることが話に複雑さを与えていて、一筋縄の民話では片づけられなくしてある。生活するとはこういうことか、というしみじみした納得が見ている間に訪れた。どこで立ち小便していいのか困るような広々としたところに道が長~く続いている色のない世界に、カラフルな衣裳と夜具で精一杯存在を主張している一家、ああここには確かに生活がある、と思う。なぜかやたらに人が負傷する映画であった。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-22 12:12:27)
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