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《ネタバレ》 この女流監督は『愛は静けさの中に』の人で、喋れなくなることに関心を持っているのか、これではウィリアム・ハートの外科医が喉頭ガンになる。自分が患者になることで正しい医者になる、って話。でもどうだろう、医者なら習慣の中ですでに納得しているようなことを、今さら新鮮に驚かれても困る。患者をいちいち人間として捉えていたんじゃやっていけないのは想像できるし、患者だって煩わしい。病気の患部という部分に解体して付き合うことで、互いにある程度気安さも感じられてたんじゃないか。それをことさら新鮮に怒ったりして、なんだこいつ、と思ってしまう。颯爽と廊下を行く医者のときの眺めと、患者になっての寝台車からの眺めの対比、なんかがある。仲の悪かった同僚に手術を頼むと、「あなたの喉を切りたかったんだ」と言うユーモアが良かった。全体、ツルッとした「いい話」で面白味に乏しい。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 5点(2012-09-25 09:25:33)
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