世界で一番美しい夜 の なんのかんの さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > セ行
 > 世界で一番美しい夜
 > なんのかんのさんのレビュー
世界で一番美しい夜 の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 世界で一番美しい夜
製作国
上映時間160分
劇場公開日 2008-05-24
ジャンルドラマ,コメディ,エロティック
レビュー情報
《ネタバレ》 そりゃ失敗作でしょうよ。エピソードが未消化なまま次々と展開していく。たぶん冒頭の、文明から逃れ退化していきケータイで火を発見するアニメが、まとまりのある出来としては一番よかった。あとはゴテゴテと縄文式土器のように部分部分が勝手な方向へ増殖した畸形の作品となっている。保険金殺人をめぐる推理ものに落ち着くのかと思ってると突如オカルトがかったり、挫折した革命家の苦みの話かと思ってると屋外での縄文時代的乱交に至ったりと、ごった煮の世界。でもね、因果なことに、こういう豪快に破綻した失敗作って嫌いじゃないんだよね。最近の映画って弥生式土器のようにノッペリと小器用にまとめられちゃってるのが多いでしょ、とりあえず無難に完成させてるの。こういう無難でない映画、統一させようなんてハナから思ってない縄文映画、なんか嬉しかったなあ。おやじ今村の南島志向を受け継いだような話の枠組みが一応あり、田口トモロヲは『神々の深き欲望』の北村和夫につながってるみたい。トモロヲがまた蛇になるのは(ネズミを食べるシーンあり)、おやじの遺作へのオマージュか、それともあれは今村作品というのは名ばかりで、実質せがれの映画だったのかもしれない。止まっていた構図が動き出す瞬間などに、映画ならではの喜びがあったし、三上寛、若松武史といった寺山修司の顔が揃ったのも懐かしい。ここは笑うところなの? ムッツリ思案するところなの? と見てるほうがどういう態度をとっていいのか分からなくなるシーンが多々あるが、そういう戸惑いも含めてけっこう楽しんで見ていた。これをきっかけに大バケする監督か、もっと破綻街道を突き進んでいくのか、それとも反省して小器用な映画に戻るのか、興味津々です。
なんのかんのさん [DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 12:09:09)(良:1票)
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-03-15エデンの東(1955)8レビュー7.25点
2014-03-14アゲイン/明日への誓い6レビュー5.22点
2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女6レビュー6.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.41点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
世界で一番美しい夜のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS