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前半は良かった。ひなびた感じ。でもそれは諦念の世界に通じていきやすく、テレビのときも思ったんだけど、それが反核のメッセージとうまくつながらないのよね。画面が滅びる美しさを奨励しているようで、その滅びの美しさと反核とを正面からきちんとぶつけられたら、テーマとして深まったんだろうが、なんとなく雰囲気として立ち込めるだけになってしまった。腹貸し女と本妻とのシーンはちょっとホロッとした、でも肝心の本筋の北大路君の話が詰めが甘くて大時代的。ラストの桜と吉永さんの顔と踊りとのオーバーラップは俗悪でした。これが監督の遺作か、もう弱ってたのかな。テレビの音楽は武満だったが、あっちも弱ってて『暗室』(無機質なフルートの響きがとてもよかった)で組んだ松村禎三を起用。なんか滅びの映画になるわけだわな。松村さんもいいんだけど、テレビ版の武満の印象が強くて。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 5点(2011-08-09 10:11:05)
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