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《ネタバレ》 最初のほうの仲間たちを紹介していく乱闘シーン。ロマンチックなムード音楽に乗ってスローモーションのダンスのような格闘が楽しく、市街での乱闘へとつながる気合いにかなり期待が高まった。でもあとが定番の型にはまってしまい、膨らんだ期待を若干しぼませる。顔にアザのある娼婦との純愛は、いらなかったんじゃないか。部分部分ではいいところもあるのよ。子分の詰めた指を食事中の箸で転がしてどかしながら、それを包んできた新聞の記事を読んでるゲタ親分のスケッチ。その前に、料理屋のただのオッサンみたいな登場をさせていた親分だけに、ここで凄味を感じさせるシーンだ。あとあちらの極道は研修旅行をやるのね。日本のやくざ映画では見た記憶がない。山に籠もって武術の鍛錬をするの。日本のやくざの「どうせ俺っちは社会のハグレモンだからよー」といった、すねた不貞腐れのような翳りが感じられない。台湾の極道は極道にしちゃ健康的すぎる。主人公側のやくざは伝統的に刀一筋、敵対する側は卑怯な飛び道具、っていうあたりは日本の任侠ものと同じ構図だ。終盤いよいよ抗争が始まると緊迫、ただいささか詠嘆的で絶叫調がくどく、親子に関する仕掛けが潜んでいるのも湿度を上げていた。過剰な湿度のベットリ感がときにぬくもりに変化するのが台湾映画・ひいてはアジア映画の魅力でもあるんだけど。監督・脚本ニウ・チェンザー。出演もしている。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-12-25 10:24:38)
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