カリガリ博士 の なんのかんの さんのクチコミ・感想

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カリガリ博士 の なんのかんの さんのクチコミ・感想
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《ネタバレ》 ストーリーはたわいないもので、「権力とは何ぞや」などといろいろ深読みするより、当時の娯楽一般が病的に歪んでいたものだったことを確認するぐらいでいい。この表現主義に影響された日本の『狂った一頁』も精神病院になっちゃうわけで、時代のグロテスク趣味にとどまっている気がする(それはそれでセットの美術だけ見れば悪くないけど)。夢遊病男が夜、女性の家に忍び込む場面は不気味であった。これよりもこの翌年の『朝から夜中まで』のほうが、狂気で片づけてないぶん、一歩前進があるよう。ことの起こりは主人公の狂ったような激情だけど、ストーリーは幻想というわけでなく、いわば悪夢のような現実。電灯の光までヒラヒラを付けて描写し、表現主義もこういった方向で発展していったら、グロテスクで病的なものだけに閉じない新展開があったんだろうが、不健全を許さない「病的に健康」な時代にドイツが入っていってしまうからなあ。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 6点(2012-07-08 09:59:02)
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-03-15エデンの東(1955)8レビュー7.25点
2014-03-14アゲイン/明日への誓い6レビュー5.22点
2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女6レビュー6.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.43点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
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