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フランス革命の前年、アメリカ独立のショックもまだ残っている英国で王が狂う。『バリー・リンドン』のラストで、これはジョージ三世の治世下の出来事である、と出たのは、狂った王の下というニュアンスを含んでいたのか。多くの狂人が王になりたがるわけだが、そもそも王は狂と近い。気でも狂わなければ“絶対”なんてやってられない。人間離れしなければならぬ王と、人間である王との葛藤。狂者になることで人間になれるのかと思ったら、やはり王位の椅子のような拘束椅子に座らせられてしまう。どっちにしろ椅子に拘束される存在。彼が王であることを逃れられるのは、「リア王」の台本読みで狂王を演じるとき、という皮肉に至る。やや理が先行する脚本で、映画として酔える種類の作品ではなかった。屋外シーンは美しい。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-03-04 12:09:41)(良:1票)
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