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《ネタバレ》 最初はよくあるキザが空回りしているだけの映画だな、と思ったんだけど、結構それでも味わえちゃった。全編に漂う「たそがれ」の気配がいい。シューベルトの室内楽が鳴り、『バリー・リンドン』でレディー・リンドンのテーマに使われた変ホ長調のピアノ三重奏曲(の第2楽章ね)、あれに弱いんだ。なんかヨーロッパのたそがれって感じが迫るの。舞台はニューヨークだけど、それだけにボウイとドヌーヴのヨーロッパ性が強まる。ドヌーヴの貫禄、前半はちょっと場違いになるのではないかと心配したが、かなり適役だった。病院で待ってる間にどんどんふけていっちゃうとこが見せ場で、病院の長い待ち時間への皮肉と見てはいけない。あちらで「吸血鬼」ってのは、血を吸うことより「不死」のほうに重点が置かれているみたい。あんがい日本の能と近いものがあるかも知れない。滅びることが出来ずに迷ってる、って。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-11-28 09:45:15)
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