鉄道員(1956) の なんのかんの さんのクチコミ・感想

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鉄道員(1956) の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 鉄道員(1956)
製作国
上映時間115分
ジャンルドラマ,モノクロ映画,ファミリー,クリスマスもの
レビュー情報
《ネタバレ》 一家の亀裂がくっきりする散々なクリスマスで始まり、みんながよかったよかったと祝福しあうクリスマスで幕を閉じる構成。その祝福の日がお父さんの最期なんだけど、みんな笑顔で終われる。そのあとの朝のシーンがなかったら、孤独なお父さんの最後の夢だったのかも、と思ってしまうぐらい「夢のような好転」なんだな。どういう努力があって一家に幸福が戻ったのか、という経過をドラマにしようという意志はあまりなく、「人生楽ありゃ苦もあるさ」という達観を提示するだけでうなずいてしまう。そこらへんイタリアと日本は似ている。状況を変えようとする努力より、その中で耐える人々に共鳴してしまう。ファシズムが起こりやすい国民性だが、戦後の復興に気合いがはいる国民性でもある。だいたいが家族のドラマだが、鉄道の仕事仲間の部分もあって、そこらへんのほうが今見て新鮮だった。スト破りをして「組合仲間」からは白い目で見られるが、それと「仕事仲間」とは違うんだな。スト破りにしろ、降格された彼が久しぶりに機関車の運転台に座れる喜びに引っ張られた「鉄道屋気質」のなした行為で、そこらへんを同じ気質を持つ「仕事仲間」は分かってくれたんだろう。そういう仕事の「ファミリー」の感じが酒場のシーンで出ていた。こういう酒場好きの「ファミリー」が、会議好きの「組合」に取って代わっていく時期だったのだ。もう一つのファミリーだったお父さんの仕事場へ走っていく少年で始まり、もうお父さんのいない家から学校へ走っていく少年で終わる映画でもあったわけ。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-24 10:20:07)(良:1票)
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-03-15エデンの東(1955)8レビュー7.25点
2014-03-14アゲイン/明日への誓い6レビュー5.22点
2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女6レビュー6.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.43点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
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