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《ネタバレ》 ヒロインは坊主頭。まわりの男どもは僧服のようなものを着て、セットはざらりとした中世修道院風。うろついている犬。カタコンブのような地下の迷路。そしてラスト火の中に消えていくヒロインとくれば、これはジャンヌ・ダルクを描いた宗教映画だろう。とうぜん活劇映画としては地味になってしまう。タルコフスキー的な陰々滅々とした雰囲気の中でいくら走り回っても、爽快感は訪れない。だいたい宗教はあまりに「思弁的」で「反活劇的」である。活劇の人間は「考える」のではなく「企む」べきなのだ。定められたルールの中で企て合うゲームに酔える人間でなければならない。そこが宗教映画と活劇映画が両立できないところ。また対抗するエイリアンが前作のクイーンを見た後では貫禄に欠けた奴で、一生懸命チョコマカチョコマカ走ってはいるが、かなり物足りない。でも、宗教映画と割り切って鑑賞すれば、邪悪なものを内に孕んだまま火で浄化されていくヒロインは、自分のうちに魔女がいる可能性を肯定してしまったジャンヌ・ダルクであって、結論としてそれなりの面白味はなくもない。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-03-09 12:03:06)
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