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《ネタバレ》 股旅ものの根本思想には、組織は悪くて個人はつらい、ってのがある。渥美清はバカを通して殺され、心が通じあう個人と個人は対決せねばならない。一旗あげたい農村青年が「やくざは虫けらだが、百姓はもっと虫けらだ、どうせ死ぬなら羽根を広げて死にてえ」という言葉が重い。さらに家庭という組織もからんできてるわけだ。股旅ものならではの寂寥感が随所に見られるいい映画だとは思うんだけど、錦ちゃんの長谷川伸三大名作の中では、作品のうねりに不整脈みたいなギクシャクしたものが感じられて、私はちょっと不満が残るの。これよりは『瞼の母』のほうが、さらに『瞼の母』よりは『関の弥太っぺ』のほうが純度が高いように思え、私は好きです。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-12-20 12:15:59)
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