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《ネタバレ》 「西部劇の挽歌」という題の絵の額縁だけを見せられているようで、前半はノレなかった。たしかに豪壮な馬追いのシーンなどがあるにはあるんだけど、西部劇の額縁のようで、ナマに迫ってこない。ジャック・パランスの結婚式で、彼とリー・マービンが似合わぬ正装して登場するあたりからノッてきた。モンテが、過去の町をうろつくあたり(カウボーイで賑わっていた酒場の静まり、モローの小屋の荒れよう)。暴れる白馬を乗りこなすシーン。時代に取り残されていく寂寥感と焦り。こういう点では西部劇と仁侠映画はほとんど重なる。そしてパランスの死(このときのショーティの表情がいい)、モローの死と続いて、終局に流れ込んでいく。前半もうちょっとキビキビしてくれれば、西部劇の名作になっていただろう。モローがせっかく海を渡ってきたのにあんまりうまく使ってなく、あちらの女優さんが西部劇に出るってのでは、私の世代では『天国の門』のイザベル・ユペールが思い出される。原作は『シェーン』のジャック・シェーファーで、ジャック・パランスはその縁もあるか。この作家ほかにもロバート・ワイズの『悪人への貢物』(未見)など西部劇に原作を提供している。パランスと言えばのちに『シティ・スリッカーズ』で助演男優賞を貰うわけだが、あれが西部劇をナツメロとして扱っていたのに比べると、こちらはちゃんとした挽歌だ。
【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-11-24 09:25:37)
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