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《ネタバレ》 アメリカ映画では、正義を行なう個人の勇気がしばしばクローズアップされ感動させられるが、「出来ねえよなあ」と思わせられることも正直言って、ある。さて本作のラスト、これどう解釈するか微妙なところなんだけど、それまでのアメリカ映画だったら正義に向かうハーパーをはっきり描いたろう。しかしこれでは銃を構えた犯人が「無理だ」と銃を下ろし、ハーパーも「無理だな」と立ち止まるところでストップモーションになる。これ「正義を行なわない結末」と思ったんだけど、それでいいんでしょ。標的になりながら数歩歩いたことは「アメリカ的勇気」だけど、法律上の正義は放棄した、と解釈した。車中での会話で若いころの希望や現在の状況を改めて思い、悪い奴(不法移民斡旋宗教家その他)は司直の手にゆだねたり死亡したりしてるし…などの言い訳も浮かんだろう、それほど人間正義絶対で生きてるもんじゃないよ、と主人公が心中ぼやいて通報義務を捨てた瞬間のストップモーション。ハードボイルドの主人公像とうまく重なるものを感じた。事件をクリアに理解できてないので間違ってるかも知れないけど、そこが新鮮だった。妻のJ・リーは朝食の卵の黄身を、ハーパーが去ったため、ハードボイルドどころか、一つ一つ潰してたっけ。見てる間は分からなかったが、悪の店の歌手は『エデンの東』のアブラさんだった。
【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-03 09:19:14)
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