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《ネタバレ》 娘がお百度参りしているあたりから後半に、映画に濃密な空気を感じだす。特別構図が凝っているわけでもなく、ろうそくなどもっと装飾的に使う監督もいるだろうが、一つ一つの図柄の的確さが濃密な空気を醸している。理屈をつければ、治郎吉が彼女への同情を決定的にした瞬間で、つまりこの場にいないお仙のラストの悲劇がカチリと始動した瞬間だった、という運命的な見方をすることも出来る(もちろん観客はまだ知らないんだけど)。このあと彼女の不幸が自分のせいだと知る治郎吉、だから自分で自分の始末を付けるということでもあるんだが、そも「輪」からはみ出されていくお仙の意地っていうのが絡んできて、重厚。「あたしを忘れさせないからね」っていうのは、怖い。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-02-22 09:55:13)
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