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とにかく細かい。ちゃんと影が人物の上をヌルッと通過するし、うさぎの耳や猿の頭の後ろの日よけのハンカチが風でひらひらするし、慰問袋の中の手紙を読むシーンでもニ三枚がひらひらするし、もちろんアイウエオの口の動きは正確だし、滝に近づくとき別のカットにすれば楽なのに移動で描くし、こういう丁寧さが、なんか戦争の対比物に感じられてならない。アニメーターが何も密かに反戦を訴えてたってんじゃなく、セル画を一枚一枚描く作業が、爆弾一発で吹っ飛ばす大雑把な作業の批評になってると思う。どんなに戦意高揚を訴えても、アニメを作る作業って基本的に平和産業だ、と理想論過ぎるとは思うが、無理に思った。タンポポがパラシュート部隊に転換した裏返しで、パラシュート降下シーンで勇ましい音楽が止んで、またタンポポが浮遊する穏やかなメロディになったところで感激。日本軍が来たことで平和になったってことなんだろうが、それを超えて戦争を無効とするメッセージと、これまた無理に思った。そう無理に思いたくなる丁寧な作品。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-01-15 10:24:57)
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