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流れるような移動撮影が売りの監督が、舞台劇をできるだけ舞台のまま映画化するとどうなるか、ってとこが興味の作品で、ほんとに舞台調で押し切るの。最後ヒロインの道行きだけ外に出る。ヒロインはただただ不幸を引き受け、男は女を信じそこなったことを後悔し、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ3楽章と1楽章がそれぞれに流れて、まことにメロドラマ(メロドラマって言葉はもともとメロディドラマから来てるそうで)。メロドラマとは何ぞや、という皮肉な分析でもするのかと思っていたが、そうでもない。この監督、晩年になってミュージカルに興味を見せ始めたのも、ここらへんからつながっていることなのか。ドラマのストーリーよりも、その閉じた舞台空間の窮屈さがヒロインを追いつめていったようにも見えるが、この映画の設定に何らかの意味を見つけようとして無理にそう感じたような気もする。
【なんのかんの】さん [地上波(字幕)] 6点(2008-01-12 12:13:33)
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