アメリカン・グラフィティ2 の こた さんのクチコミ・感想

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アメリカン・グラフィティ2 の こた さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アメリカン・グラフィティ2
製作国
上映時間111分
劇場公開日 1980-04-26
ジャンルドラマ,シリーズもの,青春もの,歴史もの
レビュー情報
《ネタバレ》 自宅で1作目を友人と観る機会があり、その勢いで2作目も観賞。
公開時には酷評が目立っていたが、しっかりと前作の内容を引き継いでおり、空気感は異なるものの、正統派の続編と言える。
エピソードによって画面サイズが変わるのも、時代を感じさせる上手い演出だった。
カートだけは登場せず、セリフでしか名前が出て来ないのが、残念な点。
物語は4つのエピソードを年を重ねながら進められる。

①ジョンのエピソードは、田舎町のレーサーとしての英雄譚。
時代もまだ明るい空気が漂っており、前作のイメージを一番残している。
レースでの結果は、町の連中がジョンを助けて、盛り上げて、一緒に勝ち取ったもの。
この田舎町ではジョンミルナーは人気者なのだ。
北欧から来た美人の留学生とのエピソードも、ジョンらしく一筋縄ではいかないが、レース後の会話が何しろ微笑ましい。
それだけにラスト、波打つ坂道で黄色いデュースクーペが見えなくなるシーンは、胸が締め付けられる。

②最も印象深いのは、戦場でのテリー。
リアルな戦場シーンにも正直驚いた。
1作目のおっちょこちょいで、臆病だったテリーの面影はなりを潜めて、仲間の命を救ったり、
壮絶な(友軍の)攻撃から、飄々と生還したりと、一人前の男として頼もしく成長している。
理不尽な上官に逆らったり、戦場離脱を企てたりという行動は、臆病風に吹かれた訳ではない。
彼の理想が戦場に無かっただけだ。
痛快にも部隊を脱した彼が、その後行方不明になってしまう件は、作品の中では直接描かれてはいない。
彼の前向きな行動と、力強い生命力。
決して死ぬんじゃないぞと、祈らずにはいられない。

③デビーのエピソードは、最もお気楽。
時代背景はとても退廃的でありながら、彼女の持つ素直さや、ポジティブさが、コメディパートとして息抜きとなる。
ただ「大晦日は嫌い。とても良い友人が二人も死んだ日だから」というセリフには悲しくなる。
破天荒だが、いい仲間との出会いがあり、飛び切りの笑顔が見られた、一番のハッピーエンド。

④夫婦となったスティーブとローリーの喧嘩は相変わらず、それどころか激しさは増す一方。
しかし、「いちご白書」を彷彿とさせる、学生と警官隊の激突に巻き込まれる事によって、
1作目同様、結局信頼関係を強めていく、ある意味進歩していない二人に、何故かホッとする。

4年にわたる大晦日、それぞれの「蛍の光」の歌唱で締めくくられるラストは、明らかに前作より悲しい。
混沌とした時代に突入してしまったアメリカが、1962年の様に輝きが感じられないのは、この時代の日本も同様。
再上映や、テレビでの放映がほとんどない本作、確かに、前作のような爽やかさはない。
しかし時代の厳しさに翻弄されながらも、前に進む事を選んだ彼らに再会できたのは、やはり嬉しい事であった。
こたさん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-01-28 08:48:31)
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