去年マリエンバートで の K-Young さんのクチコミ・感想

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去年マリエンバートで の K-Young さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 去年マリエンバートで
製作国,
上映時間94分
ジャンルドラマ,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 映像が物の客観を伝えるもの。しかし、事柄は、各人格の主観のからみでしか、浮き上がらせることはできない。男の主観が語る、女の主観が語る、現在を描写する客観が挟まる。その客観をカメラが補足する、もう一人の男の話が客観として割り込む。そういう構成で、作者は考えた。後は、どう組み合わせるか、この組み合わせのはめ込みに、工夫を懲らそうか、む、それが芸術だねって感じでおしゃれに行こうか。ばらばらにはめ込んでね。時間という客観を破壊しなきゃ。舞台が同じだから、過去と現実をちょっといじくってみようか、ほら、過去の回想場面に現在の会話をいれるとか、その逆だとかおもしろいんじゃない? マイナーな役の人は、ちょっとじっと静止してくれない。そうすると、ほら、なんかマネキンを配したみたいに、映像に立体的な感じが出るし、全く本件に関係ない外野って感じもでるし、思考が回る瞬間の一瞬を表していそうで、頭の中がくるくる回るって感じが出るでしょう。それに、フランス語の語感も、なんか、アンニュイな感じ、これを繰り返すと、不思議だが、心の苦しみの感じでたりしてね。バラック風なBGMも苦悩を表現するのにいいよね。画面のシンメトリーも映画自体が細かく作られていることを表すのにいいよね。または、人間心理の構造を示しているし、心理主義かって…… なんて、考えて作った映画なのじゃないかしら。話は、三角関係でどっちを選択するのかって、単純なんですけど。でも、最初は、男性の妄想と、女性の恋に対する、恐ろしいばかりの、忘却、って、平行線で最後までいくのかな、とか思ったら、(そこら辺を「羅生門」を参考にしたんでしょうけどね)、それなりに、女性の葛藤があって、普通のエンディングになりました。平行線のままのほうがよかったりしてね。
K-Youngさん [DVD(字幕)] 9点(2010-05-05 22:30:17)(良:1票)
K-Young さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2013-06-02グランド・マスター8レビュー5.80点
2013-05-12ラスト、コーション8レビュー7.19点
2013-03-17フライト6レビュー6.40点
2013-02-19ゼロ・ダーク・サーティ7レビュー6.83点
2013-02-11東京家族7レビュー6.34点
2013-02-02ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日8レビュー7.32点
2013-01-14ロシュフォールの恋人たち7レビュー7.78点
2013-01-13レ・ミゼラブル(2012)7レビュー6.95点
2013-01-13LOOPER/ルーパー6レビュー5.93点
2012-12-26ホビット/思いがけない冒険7レビュー6.36点
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