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《ネタバレ》 予告を見ただけでストーリーは90%読めちゃっていたし、北京原人の監督というだけあってあまり期待していなかったが、テレビ公開するにあたって「佐藤監督は蒼井優に北京原人的爆裂シーンをさせるつもりなのだろうか」という事が気になり鑑賞。物語のタガがいつ狂いだすのかとヒヤヒヤしながら見ていたが、全く普通の映画で、飛行機が魚雷を落とすアングルや、周りがやられて「うおおおおおお」と機関銃をぶっ放して敵の飛行機が落ちるシーンは「パールハーバー」そのものでした。まあ特に目新しいものもないのに8点なのは、自らの生死に必死に意味を見出そうとする人たちの美しい姿に感動したから。「夜と霧」という本にアウシュヴィッツからようやく生還したのに恋人や家族、自分を迎えてくれる人たちがみんな死んでしまって、「何のために生き残った」と幻滅する人の話があるが、この映画はこの大命題一点に挑戦しているのだと思う。主人公のお母さんの犠牲に救われたのに最後は死んでしまう妙子、その彼女が死ぬ間際に主人公に見せた笑顔、船倉で殴り合う軍人、死んだ息子が作ってくれた田圃、全てのエピソードが船の上の爺さんにのしかかっている。現代の船のシーンは長いと評判は悪いが、僕はあのシーンがなければこれまでのエピソードが「生きることの意味」という一人の老人にのしかかる大命題として昇華されないのではないかと考えている。だがどうしてこの老人が救われたのかはわからない。このあたりは観客に考えてほしい・・・・これが大和からのメッセージでもあり、監督からのメッセージなのかなとも思う。
【はち-ご=】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-09-22 00:36:17)
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