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《ネタバレ》 妻投稿■この映画、私にはだめだ(-_-;)。いや、何も起こらない緩い展開は嫌いじゃないんですよ。むしろ、何かを起こすことばかり躍起になっている映画しか評価されない最近の風潮が結構嫌だし、○○でないから幸せではないという線引きが行われる風潮もいや。■でもこの映画「人間に必要なものはほんの少しで、あとは流しておけば幸せになれる」というメッセージなんです。でもその「ほんの少し」を手に入れるために、人間は命以外の全部を犠牲にするくらいの努力が必要な世の中になっているわけでして。これ、気を付けないと、踏みにじられている人や自分を犠牲にしている人を「商業資本主義の中で贅沢を求めた結果の自己責任」と決めつけるような、カルト宗教がやっている、すげーギロチンスティックな陶酔に走りかねないと思います。■いや、私の周りにも登場人物的なキャラは大量にいますよ。でも彼らは人権を蹂躙されても踏みにじられてもサバイバーとして生きる自己完結力と、自分の生存方法が万人に適応されるなんて思っていない謙虚さがあります。「何も起こらない映画」の名作って、そういう事実を踏まえたうえでどうするか…という提示をさりげなくしていますが、この映画はそれがないです。■でも風景や室内のカメラワーク(3メートル離れたところから撮る構図)が現実の人間の視線とリンクしていて、世界観の構築はさすがだなと思いました。
【はち-ご=】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-09-05 16:01:15)(良:1票)
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