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《ネタバレ》 妻投稿、原作未読■この映画で牢屋の中の女の子は男の子にこう言う(内容は以下のようなものだったと思う)。「生物が進化したのって、進化論なんだけど。こんな知性や文明は何によってもたらされたのかしら。不思議じゃない!」「バクテリアに知性をもたらすその力に憧れちゃう(正確にいえば畏怖しちゃう)」。そう人間はその「力」に畏怖し、自分たちの存在証明のよりどころにし、そして利用してきた。その「力」から様々な宗教が生まれ、神話=「力と力のドンパチ物語」を自分たちのドンパチに置き換え、あらゆる残虐行為や国家総動員を正当化し、自分たちの権威の後ろ盾にしようとしていた。■だがそもそもその「力」は本当にこの世に存在するのだろうか。こういう話になるとアメリカで進化論を教えるべきか否かという頭がこんがらがりそうな問題に直通しちゃうが、映画の中では女の子を殺す力が鉄男には確実に存在し、アキラという「力」は存在しなかった。つまり監督は「力」の有無を結論として出すより、「力」を盲信して本質を見失う事を警告しているのだと思う。■ところでこのアニメ、アニメファンの間で低評価を付ける人が「わかっていない」と言われるくらい国際評価が高いそうだけど、「マモー・チルドレンズ」に全てを語らせている時点でこの映画はアウトだと私は思う。説得力という名の狂気は、私たちと変わらない普通の人間が語ってこそ現実感としての怖さがある。「マモーなこどもたち」が全てを動かす設定は、確かに大友ワールド特有の特異性はあるのかもしれないが、私たち観客にとっては「ああ言えば上祐」みたいな冷笑で終わってしまっていて、それがこの作品では致命的な欠陥となっているのではないだろうか。
【はち-ご=】さん [インターネット(字幕)] 4点(2009-11-05 19:35:24)
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