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《ネタバレ》 最初に謎が提示されます。スラム育ちで無学のジャマールがクイズで高額賞金を獲得できたのは何故か?刑事から拷問に近い取調べ(大げさすぎて苦笑)を受けますが、心証は白。答えは偶然知っていたのでした。その知識を得た場面を、彼の人生を辿ってゆくことで再現してゆきます。その人生が過酷すぎるほど過酷であり、彼がクイズに出た真の目的が恋人ラティカに会う為(純愛)とわかるとどうしても応援したくなります。必然的に映画にのめり込むわけで、巧みな構成といえます。彼が子供の頃、肥溜めに入ってまでもスターのサインを入手した場面で、一旦決めたことは最後までやり抜く性格が強調されており、この伏線が最後まで効いています。一方でラティカの人生はもっと過酷です。孤児で、引き取られた中ボスに乞食をさせられ、ジャマールの兄に強姦され、大ボスの愛人となり暴行を受ける毎日。現実にこのような女性と恋人関係になるのは稀でしょうが、そこは映画、美女でカバーしてます。兄は悪キャラです。ジャマールから「一生許さない」と宣言されます。中ボスを殺し、大ボスにヒットマンとして雇われます。闇の住人です。その兄が最後、ラティカを逃がし、大ボスを殺し、自分も殺される選択をします。どうしてこのような行動に出たのでしょうか?ジャマールの「奇跡の回答」に、愛の強さと運命を感じたからでしょう。二人は愛で結びつく運命であり、自分は過去の贖罪のために死ぬ運命であると悟ったのです。お金のバスタブでの死を選んだのは、彼は愛を信じず、お金を信じて生きてきたので、自分にふさわしい死に方と考えたからでしょう。自分を罰しているわけです。クイズですが、司会者の演技が秀逸ですね。すばらしい。ラティカが電話に出て、答えは知らないといったときには、正直ずっこけました。あれだけ溜めた演出だったのに…。クイズに出た真の目的がラティカに会うためですから、クイズはどうでいいのでしょうが。怒涛の感動場面を逃した感があります。スラムの生活の悲惨さはよく伝わりました。の闇の仕事や心の闇が描かれていれば、傑作になっていたでしょう。エンドロールの踊りは不要です。
【よしのぶ】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-04-29 21:41:52)
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