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《ネタバレ》 テーマは子供とおもちゃとの別れ。子供は大学生になって引っ越して行き、おもちゃは別の子供の元へ届けられる。
人間にとっては子供時代との決別を意味します。楽しく遊んだおもちゃも、成長すると遊べなくなります。現実の世界の出来事に興味が移り、ファンタジーの世界に遊ぶことも少なくなります。子供に見られるより、大人に見られたいと思う年頃ってありますよね。大学生ともなれば、もうその段階を越えています。一方おもちゃは童心のまま。永遠の子供です。人間の子供に遊んでもらうのを夢見ている。別れが来るのは当然ですね。 ◆物語はおもちゃ達が持ち主であるアンディが自分たちを捨てたと思い、保育園へ引っ越します。 熊のロッツォは心を閉ざしたおもちゃです。心から愛されていたと信じきっていた持ち主に捨てられた経験の反動で人間不審に陥ってます。子供達との関わりを最小限にし、保育園のおもちゃを支配しています。新入りのおもちゃは乱暴な年少組に壊される運命です。人のよさそうな熊が実は悪役だったところが最大のサプライズでした。アンディが自分たちを捨てたのではないと知ったおもちゃ達は帰ろうとします。それを邪魔するのがロッツォ。脱出のドラバタがあり、ロッツォともども焼却場に入れられるおもちゃ達。おもちゃ達はロッツォを信頼しますが、ロッツォは彼らを見捨てます。間一髪で助かりますが、彼らを見殺しにしようとしたロッツォの罪は重いですね。どうしてロッツォは改心しなかったのか?それは人間との関わり合いが原因なので、おもちゃ同士の友情ではなんとかならないからでしょう。それほど捨てられた傷心が大きかったということです。 ◆考えてみればおもちゃの運命も過酷です。いくら持ち主に気に入られたとしても、よほどのことがなければ、最後には捨てられ焼却処分される運命です。この映画を観て子供たちにおもちゃへの思いやりの心、おもちゃへの感謝の気持ちが芽生えれば、救われるおもちゃも増えるでしょう。すべての子供に観せたい映画です。大人もたまにはファンタジーに浸ってみるのも良いものですね。純真だった子供の頃を思い出すことは自分を見つめなおす良い機会になります。大人の鑑賞に堪える深みのある映画でした。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-09-16 13:58:17)(良:2票)
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