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《ネタバレ》 勢いのある映像と音楽。これを見て脳内麻薬が噴き出す人もいるのでしょうね。「trainspotting」は、電車が好きでたむろする人達。転じて、行くあて無くさまよう人達。ヘロイン中毒の暗喩でしょう。主人公の部屋の壁紙が電車だったのが暗示しています。というか一種のユーモア。ディスコで出会った女の子の部屋の壁紙はアンティ・ウォーホール風。ただ顔はモンローじゃなくて、その女の子の顔。これも一種の遊び心。ミゲルのシュートネタとか笑える。こういった小ネタが沢山ある。コメディに分類してもよさそう。うまいと思ったのは、麻薬中毒患者の視点から見た映像で、便器に入り込む場面、床と一緒に沈んでゆく場面、死んだ赤ん坊が天井を這う場面など。日常世界から突如シュールな場面に切り替わるので、強く印象に残るのだ。麻薬を賛美するような表現もあれば、辛く厳しい現実も描いている。一人は脳をやられて死に、一人は強盗で指名手配、父親の不明な赤ん坊は死に、その母親は半狂乱。それなりにバランスが取れている。主人公達は社会から疎外されていると感じており、刹那的な生き方しか出来ない。快楽を得るためのセックスと麻薬。金が必要なのでかっぱらいや強盗もやる。所詮は現実逃避。社会のクズだが、クズなりの生き方もある。主人公は比較的恵まれている。両親がいて、愛されているし、麻薬をやめるとき(意外にも)友達は応援してくれた。かわいい恋人も出来た。麻薬をやめ、不動産会社に勤め、仕事はうまくいっていた。が、ほんのちょっとしたことからまた逆戻り。守るべきものがなかったんですね。部屋は友達に占有され、生活環境は最悪に。最後は、麻薬密売で得たお金を持ってトンズラするわけですが、それで終るはずがない。麻薬に溺れるか、仲間に見つかるか、警察に見つかるか。いずれにせよ、ノーフューチャー、行くあてのない旅。それを見越してのエンディング。さほど暗さを感じさせないのは、彼らが愛されるべき若者としての一面を持つから。怒り狂って部屋を破壊していたベグビーは、やってきた警察に捕まったのかも知れませんね。スパッドは分け前もらったけど、すぐ使ちゃうでしょうね。結論は言わず、観客に想像させる。観客は目の前を通りすぎる電車をただ眺めているような映画。新鮮ですが好みではありません。注射が苦手なんで。それにしてもあの赤ん坊、あの環境で育っていたらどんな若者に成長したことか。
【よしのぶ】さん [DVD(吹替)] 4点(2009-05-05 09:30:59)(良:1票)
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