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周防監督の作品という事だけで、予備知識なしで期待して鑑賞しました。折井綾乃(草刈民代)と江木泰三(役所広司)の信頼関係がもしかしたら恋愛感情を含むものではなかろうかと思いながら鑑賞しましたが、はっきりとそう伝わるシーンも無く、ただ患者と医者というだけの信頼関係が映像と台詞から伝わってきました。江木泰三を殺す事になってしまう行動は、折井綾乃の失恋後の40歳過ぎた独身女性の孤独と心の闇や、医師としての患者に対する想い、自分の存在意義に対する自我の爆発、など色々なものが混じり合って行動に出たのだと思いました。江木泰三は死後、折井綾乃をこういったかたちで苦しめる可能性が少しでも分かっていたなら、自分の意思を、言葉やメモ書きだけではなくリビング・ウィルとしてしっかり残すべきだったと思います。それが主治医に対する誠意だと。大沢たかおは演技をみて、14年前のドラマ「美しい人」の狂気に満ちた演技を思い出しました。それだけ印象に残る演技でした。今回の映画はテーマがテーマなだけに、「それでもボクはやってない」みたいに、身近で自分の立場に置きかながら鑑賞いう事は無かったですが、今まで考えた事のない「尊厳死」に対して少しだけ関心をもつようになりました。
【N.Y.L.L】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-06-29 17:27:43)
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