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《ネタバレ》 不謹慎発言になりますが、9/11の崩壊映像が持っているような絶望的ライブ感をテーマに映画を作ったらどうことになるか、を示した作品ですね。過去、こういった似非ドキュメンタリーは「ブレアウィッチ…」をはじめとして幾つか記憶にあるけど、確実に過去の作品と違うのはスペクタクル感だと思います。大規模な破壊行為が、身近で起こり、それを主観視点から見上げることを見せ場にして、反対にそこだけで勝負しているような映画でした。設定もストーリーも、そのライブ&スペクタクル感を表現するためのお膳立て以上に意味を持たない。そして、その局地戦では勝利していますね。最初の20分弱は何も起こらず、唐突に事件が始まる。観終わった後の意見ですが、このオープニングが絶妙でした。イライラが爆発するギリギリまで引っ張り、起こっていることをリアルな事象と錯覚させ、同時に、その後にモンスターが徘徊する街を巡る最低限の必然性を提示しています。「ほら、もっとアップにしろ!」なんて思ったら、もう製作サイドの思う壺。中盤以降は、徐々にハンディを回し続ける必然が希薄になってくるが、総尺が短い分、致命傷にならずに済みました。モンスター映画の新機軸、とも言えますが、同じ領域で同じような映画を創ったら分かり易い二番煎じになるので、誰もやらないでしょう。その意味では空前絶後。極めてニッチな領域で勝負して成功した例だと思います。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-23 16:42:06)(良:2票)
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