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《ネタバレ》 原作はヒューマニズムの押し売りと暑苦しい絵柄に辟易して、1巻途中でギブアップ。映画は原作よりは観易かったです。後半、盲目の妹をいたわるデキの悪いお兄ちゃんを熱演する山田孝之に感心。話はベタベタだけど、見入ってましたね。でも、それも局地的なショートストーリーとしての見応えであって、総体的に考えると納得できない映画でした。話は前後するけど、18歳から24歳までの間に1000人に1人が死ぬというイキガミのルールが根本的に変だろう。まず、1000人に1人が無作為に死ぬことは、不慮の交通事故などと同義に受容されると思う。それによって、命の意義を尊重する精神が芽生えるとは思えない。さらに、社会的なシステムで殺される不条理は、病気や交通事故の比では無いはずで、それによって起こる混乱の方が絶対に重篤。もし自分にイキガミが届いたら八つ当たりで核兵器のスイッチを押しちゃうね。この制度の弱点を人道的視点から匂わせていたけれど、それ以前にこんな制度で社会の生産性が上がる訳が無い。本来はストーリーが成立しない破綻した設定と考える。原作者は何か勘違いをしていないだろうか。少数の犠牲を許すのであれば、命のリミットを24時間ではなく3年後に設定するとか、24歳から30歳の間に何らかの成果をあげないと殺されるとか、効果がありそうなシステムは作ることは可能だけど、今作はお話を劇的にするためだけの24時間で、世界観と切り離された場所で孤立した感動を押しつけられているような印象です。自分はこの映画からは限りある命の意義を感じません。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-10-15 22:42:22)(良:1票)
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