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《ネタバレ》 自分が物心がついた頃は佐藤栄作とニクソンとブレジネフと毛沢東の時代だった。ニクソンはウォーターゲートでいなくなり、佐藤栄作の後の田中角栄も同じような道を辿った。幼かった自分にとって、この二人は汚れた政治家の代名詞になってしまった。でも、後に色んなメディアで角栄さんのことをもう少し知ると、人物像にはとても魅力を感じた。そして、本作を観てニクソンにも同じ感想を抱いたのでした。ニクソンが行った不正を弁護する訳ではないが、どんな仕事にも多少の裏技や寝技はあるもので、魍魎が跋扈する政治の世界を仕切るのに、ルールの範囲内だけでやって行ける訳がないのだとマジで思う。だけど、それを正当化する発言は出来ない矛盾。本編中、政敵には決して頭を下げるつもりはないと言い切ったニクソンだったが、失望させた支持者に対する想いが悔恨として顔に出る。このシーンのフランク・ランジェラの演技は逸品でした。そして、その人間味が政治家としての幕を引く結果となりました。とかく、人間味というものがお荷物になる世界なのでしょう。そういえばバカヤローと言って国会を解散した総理大臣もいましたね。本作のニクソン像にどの程度のフィクションが入っているのかは分かりませんが、政治を離れれば面白いおじさんだったと思います。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-24 22:00:27)
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