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レビュー情報
《ネタバレ》 ファンタジーというジャンルの良い部分と難しい部分がよく分かる作品でした。アチラの世界は面白かったです。造形や色彩設定にワクワクさせられました。「世界観」自体を見せどころに出来るのがファンタジー。そこに相当な労力が注がれたことが想像できます。かなりレベルの高い作業だと思いました。それが良い部分。難しい部分は、その世界の活かし方です。自由に世界を創れる訳だから基本的には何でもアリ。でも、その自由度を上手くストーリーに乗せないといけません。テクニック的には、その世界観の中で物語をまとめる為に、どんどん狭くなって行く間口をすり抜けるような作業だと思いますが、「何でもアリ」を履き違えると違和感が累積して行きます。コットンがいきなり強くなったり、テオの飛行機作りに周囲が簡単に協力する描写がそうでした。後出しのジャンケンみたいです。男爵の立ち位置なども顕著な例でしょう。世界観を提示する段階で後の展開を全てすくい取る緻密な計算が必要と云うことだと思います。本編に戻って、両親との過去を回想するシーンは単純にホロっとさせられたのでプラス1点です。ちなみに自分の周りにも「ホッタラケ」がたくさんあります。確かに普段は見向きもしないけど、自分の歴史に関わるものは心情的に捨てられない。それで良いと思いました。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-07-29 12:48:52)(良:2票)
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