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《ネタバレ》 長いバージョンを観ました。なぜか「キスするとき、鼻は邪魔にならない」という名台詞がある、という知識だけは持っていた。でも、メロドラマ部分に特筆するものはない。必然を感じないひと目惚れだからでしょう。本作の見どころは、パブロというおっさんと女房のピラー。活動家だったおっさんは集団意識の醜さに挫かれて、やる気を無くす。でも正義を失くした訳では無い。若い娘(バーグマン)を助け、少し惚れるが女房が怖い。そこへ現れたアメリカ人は、男がかつて持っていた真直ぐな正義感を振りかざし、あっさりと娘を魅了し、女房まで味方に付けた。たぶん、女房はアメリカ人に好意以上のものを感じている。そりゃ、おっさんしてみれば面白くない。ちょっとグレるのは人情だ。女房はアメリカ人に惚れているけど、亭主と娘への責任感から感情を表に出せない。薄っぺらな主演ペアに比べ、ぐっと抑えた演技は見応えありました。原作は読んでいませんが、この二人は「文学的」でしたね。本作のバーグマンを見ていると、ボーイッシュな凛々しさも美女の類型のひとつなんだと思います。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-03-21 23:43:51)
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