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レビュー情報
《ネタバレ》 この物語の骨格はジュイスの存在。その機能を最後まで使い切ったことで、シリーズを通してまとまりのある作品に落ち着いた印象は持ちました。ジュイスもセレソンの性格を映すように個性があり、AIだと分かった後でも人間より人間らしく感じられて楽しかった。NYの映画バカとジュイスの遣り取りは特に面白い。主人公の滝沢は捉えどころがないけど、とてもいい奴で魅力的。周囲を驚かせる判断や行動に嫌味を感じさせない造形が秀逸でした。キャラクターということでは、ジョニー狩りのお姉さんが大好きで、映画版での出番が少なめで残念でした。全体的には、細部を上手く作りこんだ上質なアニメだったと思います。滝沢が最後に取った手段は、不可ではないが合格というレベルでも無いという意見です。解答を他者の判断に委ねた部分が多く、口当たりは良くても永く続く訓戒にはならない。荒唐無稽な結末を用意する監督ではありませんが、アニメというメディアならもう少し突き抜けても良かったかなと思います。現代はとかくニートの性向だけが取り沙汰される世の中ですが、その対極に「アガリを決め込んだ大人たち」を配置することで、社会問題を違った方向から照らそうとした作品でした。ただ、ニートがニートたる原因を年長世代に転嫁するなら、もう少し年長世代を描写しないと説得力がありません。世代的には私も「アガリを決め込んだ大人たち」に分類されます。自分としては、揺れる景気に翻弄されて我が身のことで精一杯って気分なんだけど、就職先が見つからない若者からはそんな風に映るのでしょうか。決して若者世代、ニート世代を切り捨てている意識は無いんだけど。企業は利潤を追求する組織なのでデキない社員は切り捨てられますが、欲や上昇志向を持った若者はどこも歓迎しているはずです。私は経営者じゃないので大きなことは言えませんが、企業には新陳代謝が必要でそれを担うのは若者だと思っています。エラそうですみません。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-18 00:13:31)
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