| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 自分にとってのハリー・キャラハンはこの「2」が最初だった。実家の近所の名画座で「燃えよドラゴン」との二本立てだった。「1」と比較すると、ハリーのスタンスが変わっている。言及されている方は少ないが正反対に変わっている。「1」では法律や警察機構の弊害で裁けない凶悪犯を自らの手で始末する。死刑の執行だ。この「2」では、それを上司や交通課の新人巡査が組織的に行っているが、ハリーは否定する立場を取る。えっ、それって「1」で君がやってたことじゃんと思うのだが「行政組織が司法機能までを包含するといずれ必ず暴走が起こる」と、とてもインテリな発言までする。でも、自分にとってはこのハリーが初見だったこともあり、信念で正義を説く姿勢に「1」より好感が持てる。「デスノート」でキラを否定するエルのスタンスです。ラストの皆殺しは正当防衛の範囲でしょう。じゃあ、どこがダーティなんだと云うと、自分の記憶の範囲だと本作中では一度もダーティーハリーとは言っていない。原題にもダーティの文字は無い。シリーズ化に際して軌道変更したようだ。とは言え、凶悪犯がいる現場では逮捕より銃殺が先行するし、上司たちは苦々しく批判を続けるので「1」と印象は変わらない。ヒールの風味を保ち法律は守るハリー・キャラハン。シリーズ中で最も好きな作品だ。
【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-05-26 01:43:34)(良:1票)
アンドレ・タカシ さんの 最近のクチコミ・感想
|