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《ネタバレ》 最近のリメイク(や続編)は世界観の奥行に工夫を凝らして新たな魅力を獲得したものが多い。「ダークナイト」「X-MEN」「猿の惑星」などがその例です。本作にも当然のようにそれを期待しましたが、結果は「そこまではイケてない」という感想でした。主人公は前シリーズのお調子者よりシャイ&神経質で、デリケートな悩みを抱えた繊細な人物に思えるけど、例えば学園生活での描写などはステレオタイプの域を出ない。大嫌いだったヒロインが、「ゾンビランド」で印象に残った期待の女優に変わったことは大きなプラスポイントだったけど、「ゾンビランド」の方が魅力的に見える。とっても惜しい。ストーリー的には、主人公に息子を助けられたおっちゃんがNY市街のクレーンを動かしてスパイダーマンの跳躍に協力するあたりにご都合が見えます。あれをやってしまうと、物語が安っぽくなります。トカゲ人間との戦いはスピード感と迫力がありますが、その部分だけを取ると前シリーズの見え方と変わりません。全体的に世界観が深くなったとは言えず、リメイクの意義が見い出しにくい作風でした。新しいと思ったのは、主人公が特定の人にはマスクを脱いで正体を晒しながら活躍するところ。ヒーローの正体は秘密と云う固定概念を外し、ヒロインが協力者になる設定は好感が持てるシナリオで良かったと思います。「(500)日のサマー」の監督の起用意図がアクションよりラブストーリー重視だったなら、それらしい仕上がりにはなっていたと思います。でも、観たかった作品とはちょっと違うんだよね。
【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 5点(2012-07-19 02:43:47)
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