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《ネタバレ》 殺してやりたいほどに憎い奴がいるって人はそれなりにいると思います。でも、本当に殺す人は滅多にいません。鑑賞後に最初に思ったことは、主人公に奴を本気で殺す気はあったのだろうか、と云う事でした。
劇中に居酒屋や牛丼屋の身近な固有名詞が出てきます。それらはおそらく日常性の象徴。そんな日常の連続性の中で奥さんが轢死する。轢き殺した奴は絵にかいたような人間のクズで、こちらは非日常の象徴です。主人公が殺意を持つのは当たり前でしょう。でも、殺しを想像することは「日常」の範囲内でも、本当に殺すとなったらそれは「非日常」です。主人公は準備を進めて非日常に踏み込んでいましたが、最終的に一線を越えることは出来なかった。彼は日常に踏みとどまりました。 本作は日常に隣接する非日常を描いた作品です。人は非日常な事象に纏われて初めて日常の有難さに気付く。気付いた時にはかなり浸食されている。怖い映画だと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-05-15 16:49:54)(良:2票)
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