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《ネタバレ》 この気持ち悪さはなんだ? 男の裸をたくさん見せられたから…。それもある。芝居が下手くそだから…。もちろん、それもある。でも、もっと根本的な部分で、あるべきセオリーを踏み外した映画だからだ。映画のストーリーは、ひとつのテーマを表現するために登場人物の動機や必然を積み重ねていくもの、というのが持論だ。映像の演出とは、それに説得力を付与する機能だ。この映画はそこが壊滅的にダメだ。主人公がシンクロをやろうと思った理由が何だったか、このストーリーから説明できるか? 女子高の彼女が主人公に興味を持った理由が説明できるか? 空手が得意だという彼女のキャラクターがストーリー展開に何か必然を持っているか? 何に対してもいい加減だったアフロが、シンクロだけは全うしようと思った理由を説明できるか? 一度はいなくなった男どもが大挙して戻ってきた理由が説明できるか? 総てを気分とくだらないギャグで流してしまっていて、映画として説得する行為を放棄している。あんなことで、短時間にシンクロの演技がまとまる筈がない。分かり易く例えるなら、何となく昼休みにふざけてキャッチボールしていた奴らが甲子園に行ってしまうような話だ。青春映画として成立させたいのなら、最も大切にしなくてはいけない核の部分が空洞のまま。それで、映画は所詮はツクリモノと、胸を張ってシンクロの演技だけしっかりと見せられても困る。真剣にシンクロに取り組んでいる人が観たら激怒する映画じゃないか。それなりに興行収入を稼いだ作品らしいが、ラストのシンクロの演技に誤魔化されちゃイカンよ。この映画の中のキャラクター達に、あんなことを出来るはずがないんだから。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2009-09-06 01:59:18)(良:2票)
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