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《ネタバレ》 そう、この作品は当時同名のTVシリーズが放送されている最中に公開され、前半は再編集、後半はオリジナルという体裁を取った。おそらく、矢吹丈の生死に関して物議を醸していたラストシーンをTVシリーズより先に劇場で見せることにプロモーション的な意味があったのだろう。
そのラストシーンは、ゴロマキ権藤が帽子を取るカットを見て明快な回答がなされたと解釈した記憶があります。 映画自体は再編集の悪い部分がかなり出ていて、原作に親しんだ人ほど残念に思う作りになっています。未見の方には、自分はテレビシリーズの「あしたのジョー2」を強くオススメしたいです。原作に無かったエピソードが追加されたり、理屈が通らなかった部分を当時の時代に合わせて整合し直したりと、本作のエッセンスを損なわずに筋の通った流れに再構築されています。 この物語のテーマはカーロス戦後に丈が紀子と交わした会話に有ります。↓で【コナンが一番】さんが詳述していただいている台詞です。自分も、特に方向性の定まらない焦燥感に駆られた高校生時代などは、白い灰に燃え尽きるジョーの青春に強い憧れを覚えました。打ち込めることがあるか。そして、そこに全霊を注ぎ切れるか、ということです。でも、年齢とともに視点が微妙に変わってきたことも確かです。残された段平や葉子、西や紀子、ドヤ街の子供たちのことを考えると、白い灰になるまで燃え尽きることを手放しに肯定できなくなった自分がいます。矢吹丈は結局、自分本位に生きただけの奴だったのか? 答は出ていません。自分がいい歳のオヤジになっただけかも知れない。ともあれ、ある時期、矢吹丈の生き方が自分のある部分を支えていたのは紛れもない事実です。そして、今の若い世代が、白い灰になるまで何かに打ち込みたいなんて言ったら、私は手放しで応援してあげたい。 点数はこの再編集映画に対しての評価です。原作やTVシリーズが対象なら、迷わず10点を付けます。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 5点(2009-03-12 03:51:43)(良:1票)
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