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この映画もすでに25年ほど昔の作品になった。当時、西部劇の復興だか復活だかを掲げた広告をしていました。確かに、正統な西部劇の匂いがする作品でしたね。そんなお題目があったので、あえて作品と離れて西部劇について少し考えました。42と132。この数字は、このサイトのマニアックランキングで検索した1985年以降の西部劇と時代劇の登録作品の数。21世紀になってからだと、14と66。日本の時代劇と比較することに特に意味はありません。90年代に少し復興のきざしがあった西部劇だけど、製作される絶対数は減っているようです。たぶん原因は、その時代が本来持っている暗さではないかと思う。西部開拓時代は19世紀後半の数十年で、先住民だったインディアンを駆逐して行った時代と言っても良い。過去の大半の西部劇で扱われるインディアンたちは、凶悪な未開人。そして、彼らをやっつける勧善懲悪のヒロイズムと、フロンティア・スピリットへの郷愁が西部劇の根幹だったと思います。それを強引に喩えるなら、北海道や沖縄へ攻め入ったサムライが恋や友情に彩られた冒険をしながら、アイヌや琉球の民を殺して行くようなお話だ。そんなものをアメリカの人たちは喜んで観ていたし、日本人もエンターテイメントとして盲目的に受け入れていた。その視点で語るなら、ハワード・ホークスやジョン・ウェインは罪深い人たちだ。20世紀も中程まではそれがまかり通っていたけど、今の時代にそんな映画は作れない。「ダンス・ウィズ・ウルブス」などは過去の西部劇に対する強烈なアンチテーゼだったのだろう。この映画にインディアンは出てこないけど、銃で殺し合って決着という成り行きにも、ホントにそれで良いの?と、少し気になりました。反目すれば撃ち殺してオシマイというやり方も、あの国にとっては思い出したくない過去の歴史なのかも知れない。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-08 01:13:09)
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