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《ネタバレ》 炭鉱の長屋の茶の間にデカいイモ虫が現れるシーンは非現実にリアリティがあって、現代では再現できない「怪獣映画」のエッセンスを感じます。でも、初見時(小学生)、このイモ虫がラドンなんだと落胆した記憶があります。「ウルトラセブン」の第一話でカプセル怪獣ウィンダムをウルトラセブンだと勘違いして覚えた落胆とソックリでした。久しぶりに観て、惜しい作品だなぁと思いました。地下空洞の広大なセットとか、坑道でのロケとか、金属を溶かした溶岩表現とか、志は充分に高い。卵の破片の曲面を計測して、その卵の大きさとそこから生まれる生物の大きさを(コンピュータを使って)推測するシーンはとても「科学的」で、平成ガメラシリーズなどに見られるSF的なサスペンスタッチがすでに息づいています。でも、ラドンが姿を見せてから萎みます。翼が起こす風圧で橋や建物が破壊される「特撮」はとても良く撮れているのですが、自衛隊(?)との戦闘がとてもとてもつまらない。延々と続く単調な砲撃シーンにあくびが出ました。やられっ放しで燃え尽きて落下というのも呆気ない。「怪獣映画」の破壊シーンとしては「ゴジラ」直後ということを考えると随分と研究したようですが、戦闘シーンを盛り上げる手法が確立されていなかったということですね。途上の作品だったと思います。飛翔するラドンを捉えたロングショットが飛行機雲で表現されるあたりに円谷英二さんの才気を感じます。
【アンドレ・タカシ】さん [地上波(邦画)] 5点(2012-04-27 02:46:13)
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