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《ネタバレ》 1963年のリメイク版を先に観ていましたが、印象が全く違うことに驚きました。話の発端は同じです。地方都市の女学生が他校の男子学生と「一緒に歩いていた」ことを女学生のクラスメートたちがやっかみ、その揶揄を担任の女性教師が諌めたことから話が肥大して行く。リメイクはくだらないことを大袈裟に取り上げて盛り上がっているような作風で、私はコメディと位置づけていました。でも、本作は真摯に「封建的」な因習の弊害や「民主化」を目指すことの軋轢を取り上げています。戦争が終わり、新憲法が公布されて数年。旧来の価値観が大きく転換されている最中の世相が窺えます。1949年に深刻だった問題が1963年にはコメディになっている。当時の日本の民主化の進捗には不案内ですが、この同名の2作品を隔てる15年間に日本の社会が随分と変化したことが分かります。さらに言うなら、現代の視点では演技を堪能するというよりも、記録映画としての意義が増して行くように感じます。戦後生まれが還暦を迎える時代です。最近は封建的とか非民主的という言葉も聞かなくなりました。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-08 02:18:24)(良:2票)
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