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《ネタバレ》 『エル・マリアッチ』を観たのはずいぶん前で、てっきり引き続いてのアントニオ・バンデラス主演だと勘違いしていました。本作は前作の1,000倍の製作費がかかっているらしいけど、そんな低予算だった前作にバンデラスみたいな当時としてもそこそこ知られている俳優が起用されるわけないですよね。よくよく考えたら前作の続きの様なお話しみたいだけど、全然別物みたいです。ひとえにロバート・ロドリゲスが潤沢なバジェットを得て、やりたい放題を実現させたって感じの仕上がりです。ストーリーはかなりハチャメチャで、あり得ないぐらい敵の弾が当らないバンデラスがもうギャグなのかと首を傾げたくなるぐらい。でも集団相手では無敵なのに、敵が一人だとあっさり撃たれたりナイフでハチの巣にされたりするのがちょっと不思議。この映画ではロバート・ブシェミやタランティーノそしてダニー・トレホといった渋い面々が登場するのに、みんなあっけなくというか無意味に退場しちゃうのがわけ判らん。極めつけがバンデラスが呼び寄せる助っ人二人組で、ギターケースがマシンガンやロケットランチャーになっているといういかにもロドリゲス趣味が爆発のガジェットを武器にしているのに、あっさり討ち死にしたのがなんか勿体ない。ここら辺は「オタクに予算を与えて自由に映画を撮らせると大惨事になる」というハリウッドの箴言を彷彿させてくれます。この映画でもっとも辻褄が合わないところは、冒頭あたりで恋人を殺してロドリゲスの手のひらを打ち抜いたのはプチョのはず、でも演じているのはどう見ても後半のプチョとは違う俳優が演じている。つまりロドリゲスは過去にプチョと対面しているのに、プチョの容貌すら判らずに追いかけているし、プチョも自分を殺そうとしている男の顔も知らない。ましてプチョが○○だったと途中で気づくなんて、お前ら二人とも初対面の時にふつう気が付くだろう!と矛盾しまくる脚本なんです。まあここら辺がロドリゲスらしいところなんですけどね。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-11-27 21:34:45)
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