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《ネタバレ》 白人男性ばっかりで女性はいない陪審員の構成を見ていると時代を感じます。こんな制度なら黒人の被告にとってはもう悪夢ですよね。それが現在では女性や有色人種をどれだけ陪審員に入れるかで検察と弁護側が争い、それが裁判の行方に影響を与えているそうですから皮肉なことです。 さてこの映画を観るたびに感じることなんですが、原作者や監督シドニー・ルメットは陪審員制度について肯定しているんでしょうか? 日本でも裁判員制度が行われていますが、この映画を観たら陪審制みたいなかたちで裁判されるのは勘弁して欲しいと誰もが思うんじゃないでしょうか(日本では多数決で評決が決まることがあるというから恐ろしい)。早く切り上げて遊びに行きたくてしょうがない陪審員がいたりして、さすがシドニー・ルメット、各人の人間性を浮き彫りにする描写は見事です。この物語は誰が犯人であるかを決めて裁きを下すのではなく、被告が何をした(もしくはしなかった)のかだけが重要だと言いたいんじゃないでしょうか。陪審員8番の言葉を借りると「これが民主主義の良いところだ」というわけなんですね、欠点もありますが。 暑苦しい一室で普通の人たちが繰り広げる白熱の議論をリアルタイムで描いた、密室劇ムービーの最高峰です。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-02-10 21:21:15)
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