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《ネタバレ》 シルベスター・スタローンと言えばロッキーかランボーかというぐらいランボーのキャラ・イメージが強いけど、第一作がスタローンが主役に決まるまでのゴタゴタは色々あったみたいです。ランボー役候補だった男優は、イーストウッドに始まりジェームズ・ガーナー、アル・パチーノに加えてなんとダスティン・ホフマンまで、彼らすべてに断られた挙句にスティーヴ・マックイーンには受けてもらえそうだったけど、彼の死によっておじゃんに。おまけにトラウトマン大佐役もカーク・ダグラスにオファーするけどこれも失敗。当時ヒット作に恵まれてなかったスタローンに決まったのは、プランBどころかプランFぐらいだったみたいです(笑)。たしかにこの第一作はその後のランボー・シリーズと大違いで、けっこうカタルシスには遠い暗いストーリーなので、ドル箱スターたちに断れまくったのは納得できます。 たしかに言えるのは、このベトナム帰還兵のジョン・ランボーという男は、PTSDだかなんだか知らいないけど何が目的で暴れたのかは理解不能です。もっともランボーが保安官に眼をつけられて逮捕されるのもまったく理解できない、米国の田舎では地元民じゃない人間というだけでしょっぴけるというのも衝撃。ストーリーはここからノンストップで進行してゆくので息もつけないけど、考えて観ればおそろしく単純なお話ですよね。終盤ではガソリン・スタンドごと町の中心部を吹っ飛ばすし、いくら元グリーン・ベレー隊員と言ってもあれだけの武装警官に囲まれれば射殺されちゃうでしょ。でも80年代スタローンのアイコンとなったM60機関銃を腰だめで撃ちまくる姿を見せられれば、こいつなら一個師団相手でも生きのびそうな迫力に圧倒されます。またこの映画は、主要キャラには男性しかいない男臭いお話でもあります。原作小説ではランボーはトラウトマン大佐に射殺されて終わるそうですが、完全にPTSD発症で廃人のようになって連行される本作のラストも、なんだかなあと言う感想になっちゃいます。 米国では興業的には失敗作となりましたが、スタローンが乗っ取ったような形で続編が撮られてヒット・シリーズになるとはこの時点では誰も予想しなかったでしょうね。でも自分はアメリカン・ジャスティスの権化と化した不死身のランボーよりも、孤独に苦しむ本作のランボーの方が好きです。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2025-02-25 22:57:40)★《新規》★
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