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《ネタバレ》 『13日の金曜日』シリーズと言えばジェイソンが暴れまわるお話しだと思いきや、この第一作ではジェイソンのおかしくなった母親が殺しまくる犯人だという設定なんですね。最後に登場するジェイソンはこの設定では死者、つまりスピリチュアルな存在だったというわけで、単なるモンスター映画と成り果てた続編群との違いは大きいんじゃないでしょうか。このシリーズは “『13日の金曜日』フランチャイズ”とも称されているそうですが、『ソウ』シリーズなんかと違って毎回の監督・脚本家・製作者が異なっているので“フランチャイズ”とは言い得て妙かと思います。 カーペンターの『ハロウィン』と並んで70年代から80年代にかけてのスラッシャー・ジャンルのパイオニア的な立ち位置ですけど、製作者の発想といいストーリーと言いほぼ『ハロウィン』のパクりみたいなもんです。それも製作者や監督たちの出自もあり、B級映画の域を脱していないのも確かです。尺を稼ぐためか登場人物たちの何気ない意味もない行動を長々と見せたりして、これも監督の力量のなさが成せる技なんでしょう。俳優たちもジェイソンの母親役の他は若手の安い無名俳優ばかり、その中でケヴィン・ベーコンだけがビッグな存在になれたのは目出たい事です。スラッシャー・シーンは若き日のトム・サヴィーニが担当、ちなみにラストのジェイソン登場も実は彼のアイデアだそうで、まあ当時は『キャリー』のパクりだとしか評価されなかったみたいです。 はっきり言えばほんと大したことのないB級映画なんですけど、インデペンデント系としては初めてメジャーが配給したことは、本作の最大の功績なのかもしれません。「映画界にはびこる最も卑劣な生き物」と監督ショーン・S・カニンガムを罵倒した批評家もいたそうですが、いくら何でもそりゃ可哀そうです。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-03-22 19:44:43)
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