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《ネタバレ》 1955年のオリジナルも昔に観ているけど、これは全然別物といった感じです。まず短いシークエンスながらも、脱獄に成功するまでの刑務所の生活が怖い。隊列を組んで作業に向かう囚人たちの姿は、まるで『メトロポリス』の地下世界みたいです。カナダとの国境に面しているという設定である川沿いの町は、修道院も含めてなんとすべて一から造ったセットなんだというから驚き。デ・ニーロとショーン・ペンという二大演技派の競演は見応えがあるし、二人の組み合わせは19年後に撮られた『トラブル・イン・ハリウッド』の二作しかないので貴重です。ペンの演技スタイルというとキレやすい粗暴なキャラ(実際の本人もそうらしい)というイメージがあるけど、悪事は働くけどちょっとオツムが弱い根は善良なキャラを演じるのも上手い役者で、私は本作の若き日のペンは最高の演技だと思っています。考えてみれば、ハリウッドの三大名優、デ・ニーロ、ジャック・ニコルソン、アル・パチーノのすべてと共演してるんですよね、ダスティン・ホフマンとは絡みがないのはちょっと残念ですけど。いちおう舞台はNY州の北部の町という設定なんですが、アメリカにあれほどカトリック教会の影響が強い町があるなんてフィクションとはいえちょっと信じられないぐらい、まるでシチリアあたりのお話みたいです。かなりカトリック臭の強いお話だけど、さすがに名脚本家デヴィッド・マメットだけあってサスペンスを盛り込みながら上手くまとめています。ラストの橋上でのデ・ニーロとペンのハンド・シグナルだけの別れのシーンは、ちょっとジーンときました。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-12-31 22:09:06)
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