アポカリプト の S&S さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > アポカリプト
 > S&Sさんのレビュー
アポカリプト の S&S さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アポカリプト
製作国
上映時間139分
劇場公開日 2007-06-09
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,アドベンチャー,歴史もの
レビュー情報
《ネタバレ》 ハリウッドきっての変態映画作家メル・ギブソンのまさに本領発揮と言えるでしょうな。実はほとんど予備知識なしで観ていたため、ラストを観るまででっきり有史以前のお話しだと思っていました。実はスペインが来襲してくる直前のマヤ帝国のお話しだったんですね。こちとら日本人だから始めから字幕で鑑賞するタイプなのでどうってことないですが、全編セリフがマヤ語とはさぞかしアメリカ人の観客は戸惑ったことでしょうね。上映時間の半分ぐらいは密林の中で撮影された映像、滝つぼに飛び込むところを含めてこれは『アギーレ/神の怒り』に匹敵する様な過酷な撮影だったんじゃないでしょうか。男は皆ふんどし一丁みたいな半裸なのに、女はいちおうワンピース形の衣装で露出が少ない。これは多少はコンプライアンスを意識した結果なのかもしれないけど、違う要素でR指定を喰らってんだからこりゃ世話なしです(笑)。でも血生臭い描写にはこだわりのあるメル・ギブソンにしては、本作はそれでもおとなしめだったような気がします。ストーリー自体は尺が三分の二を過ぎたぐらいから急展開ですが、これを指して町山智浩氏は「コーネル・ワイルドの『裸のジャングル』のパクりだ」と指摘しているけど、『裸のジャングル』も観たことがある自分としては、これはちょっと的外れの様な感があります。たしかにマン・ハント劇としては一緒だけど、本作はただの殺し合いで『裸のジャングル』のラストで観られるような狩る者と狩られる者の融和と言うような要素がありません。かなり強引な解釈の様な気がします。 ラストのスペイン人たちの上陸には主人公たちを苦しめたマヤ文明の滅亡が暗示されていると思いますが、メル・ギブソンのことだからキリスト教徒の到来によって文明開化がもたらされるという啓示が意図として含まれているかもと、勘ぐってしまいたくなります。これからマヤ人たちはスペイン人と彼らが持ち込んだ天然痘によって、ほとんど死滅しかけるような惨状に追い込まれてゆくわけです。主人公とその妻子たちに待ち受ける未来は、さらに悲惨なことになるんでしょうね。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-05-18 22:22:05)
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-04-12大人は判ってくれない9レビュー6.92点
2025-04-09フランケンシュタイン(1994)5レビュー6.59点
2025-04-06プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち3レビュー4.00点
2025-04-03ジョニーは戦場へ行った9レビュー7.34点
2025-03-31仕立て屋の恋7レビュー7.42点
2025-03-28夢のチョコレート工場7レビュー6.96点
2025-03-25ビートルジュース6レビュー6.08点
2025-03-22ミザリー8レビュー7.32点
2025-03-19そろばんずく1レビュー3.22点
2025-03-16アミスタッド7レビュー5.74点
アポカリプトのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS