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《ネタバレ》 直訳すると原題は「戦争の犠牲者」。この「犠牲者」はもちろんレイプされ殺害された女性を筆頭にしたヴェトナムの民衆たちを指しているのだが、情緒的な日本人が撮るとそこに「政治や社会のせいで戦場に来ることになってしまった」兵士たちも含めてしまうことが多い。しかしこの映画でデ・パルマは、ショーン・ペンたちの非道な行為は個々人の邪悪がなせる業であると突き放した冷徹な眼で描いているのです(たとえ群集心理的な要素があったとしても)。こういうところは、デ・パルマもキリスト教文化のもとに育った人なんだなと感じます。激しい銃撃戦のさなか、刺されて血まみれのヴェトナム女性がよたよたと橋の上を歩く姿には、十字架を背負ってゴルゴダの丘にひかれてゆくキリストの様でした。ペンのほかにもジョン・C・ライリーやジョン・レグイザモといった今をときめく曲者俳優たちが若々しくって良かったです。 『アンタッチャブル』で大成功した次になんでこんなに後味が悪い映画を撮ったんだと批判もあったそうですが、これはきっとデ・パルマの良心だったんでしょうね。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-13 23:27:47)(良:1票)
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